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先日、仲良くしているバイク屋の店長さんが「最近の新人はすぐにバイクをラダーレールから落とすから、お客様への対応が大変。」と愚痴をこぼしていました。何でも納車に行った時にバイクを降ろす時に失敗してしまって、お客様の目の前でバイクを倒してキズ付けてしまうそうです。これはある意味、お客様もスタッフさんも両方ヘコむと思います。しかし、なぜ何回も同じ事をするのか不思議に思ったので、詳しく状況を聞いてみると理由はとても簡単でした。その理由とは「面倒臭がってラダーレールを1本しか使わない上に設置が適当。」と言う事です。店長のようにこの業界が長い人間だと、ラダーレールを1本で積み降ろしする事が普通になって来ます。慣れている方なら良いのですが、まだ慣れていない方だとラダーレール1本での積み降ろしはかなり難しいです。まずラダーレール1本だとワイドタイプのモノでも全幅が30cm前後と言う、決して余裕があるとは言えない幅で作業する事になります。実際にバイクの積み降ろしをやった事のある方ならご理解頂けると思いますが、トランスポーターの車体からバイクを降ろす時は、バイクの車重を自身で支えながら降りる事になります。その際はバイクの後輪はほとんど見えないので、感覚だけを頼りにバイクを真っ直ぐしながら降ろす事になるのです。軽いバイクなら失敗しても自分で支えられますが、200kgクラスの大型バイクになると絶対に自分だけでは支えられないので、「斜めになってるからヤバい!」と気が付いた時はもう手遅れなのです。当店はこのような事故を防ぐために、「大型バイクを100回降ろして1回も落とさない。」と言うスタッフ以外は全員ラダーレールを3本使わせています。状況によって異なりますが、基本的にはまったく同じラダーレール2本を並べてバイク用にし、残りの1本は降ろす人間の足場として使います。同じラダーレールを並べれば段差もありませんし、ちょっとずれたとしても60cm近い幅があればバイクが落ちる事はまずありません。また、降ろす人間も同じようにラダーレールを下るので、ほとんど平坦なところと同じ姿勢でバイクをコントロール出来ます。そして重要なのは、バイク用のラダーレールをきちんとタイダウンベルト等でトランスポーターと固定する事です。せっかく2本並べてもズレてしまっては何の意味もありませんので、きちんとトランスポーターとつなげた状態で固定する事が大切です。しかし、この方法は非常に時間と手間がかかります。「ラダーレールを2本並べ、それぞれをタイダウンでトランスポーターと固定してから自分用のラダーレールをセットする。」と言う、慣れていないと20分くらいかかってしまう結構面倒臭い作業なのです。この作業を「面倒臭い」と思ってしまって横着し、ラダーレールを1本にするとかタイダウンでの固定をしないとかしてしまうので事故が起きるのです。ちなみに上記画像は人間用のラダーレールを片付けてしまってから撮影していますので、作業の際はもう1本ラダーレールがあります。「どうしてもバイクの積み降ろしが上手く行かない。」と言う方は、ぜひ1回試してみる事をオススメします。
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