プロライダーですら「２５０ｃｃクラス最強！」と唸る、ヤマハ・ＷＲ２５０シリーズの生産が終了したそうです。オフロードタイプのＷＲ２５０Ｒは７２万１４４０円、モタードタイプのＷＲ２５０Ｘは７５万３８４０円と言う、２５０ｃｃクラスでは最高レベルの金額でしたが内容も最高なバイクでした。ちなみに同じようなコンセプトのホンダ・ＸＲ２５０シリーズは、オフロードタイプのＸＲ２５０で５４万６０００円、モタードタイプのＸＲ２５０モタードで５５万６５００円と２０万円近い差があります！ちなみに他のライバルである、カワサキ・Ｄトラッカーやスズキ・２５０ＳＢ等もＸＲ２５０と同じような５０万円台の価格に設定されていました。スペックを見るとＷＲ２５０は馬力等も１番出ていますが、数字上はそこまでの差はありません。「馬力もそこまで変わらないのに、何でこんなに高いのか？」と言うと、すべてが「拘り過ぎ」なのです。まず、ＷＲ２５０は「レース専用モデルである、ヤマハ・ＷＲ２５０Ｆやヤマハ・ＹＺ２５０Ｆの公道バージョンを造ろう！」と言うコンセプトで始まったそうです。ちなみにＷＲ２５０ＦとＹＺ２５０Ｆは基本的に同じモデルなのですが、ＹＺはモトクロス用でＷＲはエンデューロ用に造られているので、サスペンションのセッティングやエンジン出力の特性等が異なります。ＹＺ２５０Ｆは４２馬力、ＷＲ２５０Ｆは３８馬力と「さすがレース専用モデル！」と言いたくなるようなパワーを誇るのですが、公道仕様のはずのＷＲ２５０ＲとＷＲ２５０Ｘも３１馬力と言うレース専用モデルの７馬力差しかないパワーが出ているのです。しかもマグネシウムヘッドエンジンに鋳造と鍛造のハイブリットなアルミフレーム、アルミ製異形断面形状スイングアームにフルアジャスタブルの本格的なサスペンションと妥協点がまったく無い造りになっています。ちなみにエンジン、フレーム、スイングアームはＷＲ２５０Ｆをベースにしたモノでは無くすべて新設計。「ここまで拘って高価な２５０ｃｃを誰が買うのか？」と社内でも疑問の声があったらしいのですが、「んな事知るか！」と言わんばかりに開発部門が拘り続けて完成したのがＷＲ２５０ＲとＷＲ２５０Ｘなのです。ちなみにこんなアホみたいにコストを無視して拘ったバイクの後続モデルは当然予定されていないそうです。発売当時に「ヤマハが狂った！」とまで言われた拘り尽くしの１台ですので、欲しい方は急がれた方が良いと思います。